「PTSD:Post-Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害」の診断ガイドライン

 

心的外傷後ストレス障害(PTSD:Posttraumatic Stress Disorder)の診断ガイドラインは、「アメリカ精神医学会」と「世界保健機関 (WHO)が定めた国際的な統計基準」があります。

 

アメリカ精神医学会

アメリカ精神医学会が定めた精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、DSM)の1994年に発表された第4版(DSM-Ⅳ)や200年に発表された第4版の改訂版(DSM-Ⅳ-TR='Text Revision' of the DSM-IV)を記載します。PTSDについては、DSM-ⅣもDSM-Ⅳ-TRも同一内容です。

「A:事項」と「B~D:症状の3項目:思考の侵入(再体験を頭で思う)、回避/麻痺症状、覚醒の持続的亢進(リラックスできず、びくびくする)」です。なお、「A:事項」については重要視されなくなってきています 。

309.81 外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder)

  1. 患者は以下の二つがともに認められる外傷的なできごとにさらされたことがある。
    1. 実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うようなできごとを、一度または数度、または自分または他人の身体の保全に迫る危険を患者が体験し、目撃し、または直面した。
    2. 患者の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
      • 注 子どもの場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることがある。
  2. 外傷的なできごとが、以下の一つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。
    1. できごとの反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心象、思考、または知覚を含む。
      • 注 小さい子どもの場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。
    2. できごとについての反復的で苦痛な夢。
      • 注 子どもの場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。
    3. 外傷的なできごとが再び起こっているかのように行動したり、感じたりする(その体験を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、また覚醒時または中毒時に起こるものを含む)。
      • 注 小さい子どもの場合は、外傷特異的な再演が行われることがある。
    4. 外傷的できごとの一つの側面を象徴しまたは類似している内的または外的きっかけにさらされた場合に生じる、強い心理的苦痛。
    5. 外傷的できごとの一つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけにさらされた場合の生理学的反応。
  3. 以下の三つ(またはそれ以上)によって示される、(外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応の麻痺。
    1. 外傷と関連した思考、感情または会話を回避しようとする努力。
    2. 外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力。
    3. 外傷の重要な側面の想起不能。
    4. 重要な活動への関心または参加の著しい減退。
    5. 他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚。
    6. 感情の範囲の縮小(例:愛の感情を持つことができない)。
    7. 未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子ども、または正常な一生を期待しない)。
  4. (外傷の以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、以下の二つ(またはそれ以上)によって示される。
    1. 入眠または睡眠維持の困難。
    2. 易刺激性または怒りの爆発。
    3. 集中困難。
    4. 過度の警戒心。
    5. 過剰な驚愕反応。
  5. 障害(基準B、C、およびDの症状)持続期間が一ヶ月以上。
  6. 障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。