PTSDの概要

 

「心の傷」「トラウマ」ってなに?

よく使われる「心の傷」「トラウマ」と言う言葉があります。どんな意味なのでしょうか?

PTSDを引き起こす外傷的体験とは、人の対処能力を超えた圧倒的な体験で、その人の心に強い衝撃を与え、その心の働きに永続的、不可逆的な変化を起こすような体験を意味します。すなわち、心の傷を生じるようなできごとです。

Trauma=トラウマには、「身体的外傷」と「精神的外傷=心的外傷=心の傷」の両方の意味がありますが、PTSDのTrauma=トラウマは「精神的外傷=心的外傷=心の傷」のほうです。すなわち、心の傷=トラウマです。

 

 

関係する3種類の病名と病気の定義

 

PTSDの症状
  1. 思考の侵入(再体験を頭で思う)
    • フラッシュバックや夢の形で繰り返しよみがえることです。
    • また、思い出したときに、気持ちの動揺、動悸、冷汗などの身体的反応も起こります。
    • DSM-IVの文章に、「侵入的」という言葉が使われています。
  2. 回避/麻痺症状
    • 出来事に関係することを極力回避する、例えば、関係した場所、関係した人を避けようとすることが起こります。
    • 出来事の記憶の一部(全部)が思い出せないことも起こります。
    • また、趣味や日常の活動に興味や関心がわかなくなり、感情が麻痺したようになり、愛情や幸福感などを感じにくくなります。
    • 将来のことも否定的になります。
  3. 覚醒亢進症状
    • リラックスできず、睡眠障害、イライラ、そして、なにごとにも必要以上に警戒してしまうことが起こります。
    • ちょっとした音などにも、驚いてしまいます。
    • 過覚醒と言って、「目が覚め過ぎている」と理解してください。

 

自責の念が付きまとう
  1. 肉親を病気で亡くしたときに、自分が代わりになれなかったのかと言う思い。
  2. 子供(成人していても)を交通事故に遭わしてしまったのは、自分の責任だと思う。
  3. 親からの性的虐待を受けた子供が、「はっきりNOと言えなかった」、自分の責任だと思う。
  4. [上記の補足]人は完璧じゃないから、探せば、必ず、ミスが見つかります。それを必死に見つけ出して、自分を責めることです。そして、悲しいことに、周囲の人が、「人が完璧じゃないのに、そのミスを見つけ出して責める」と言う2次被害が起こります。接する人は、「悪いのはその人じゃない、被害者なのだ」と言うことことを心してください。

 

相反する感情を持つ

長期に及ぶ反復性外傷を経験した人たち(CPTSD)が、その環境を生き延びるために持たざるをえなかった適応症状として、被害者が加害者に対して相反する感情(恐怖と愛情・怒りと自責・悲観と希望など)を抱くことが起こる。

  1. 恐怖ゆえに愛情がわく。
  2. 怒りゆえに自責がわく。
  3. 悲観ゆえに希望がわく。

恐怖・怒り・悲観が強いほど、反対の気持ちが強くなる。 すなわち、外圧が強すぎて精神が持たないので、内的な思考に置き換えるということ。

 

心理的結合が出来上がる「ストックホルム症候群」

1973年、ストックホルムの銀行を強盗が襲い、犯人は数人の人質をとって立てこもった。警官隊と何度も衝突をくり返し、人質が解放されたのは、事件発生から1週間後。
しかし、人質を解放した後、事件関係者は不思議なことに気づく。当然、犯人を憎むはずの人質が、口々に犯人をかばうような証言をするのだ。それだけではなく、「感謝されるはずの」警察を、侮辱するようなことさえ口にする。
そのうえ、事件が解決した後、人質の1人であった女性が、なんと、犯人グループの一人と結婚してしまう。これが、最初に有名になった「ストックホルム症候群」で、この症候群は、この事件から名付けられた。

 

体験中、または、その後に解離性症状が起こる。

 

再被害から身を守るため混乱

 

涙なんかでない

激しい恐怖や苦しさが潜在化されているので、悲しくて涙が出るような感情ではない。「悲しくて涙が出る」ことは、PTSDでない。PTSDを治療することで、やっと、涙が出るようになる。

 

自傷・嗜癖

自分の感情からの情報を閉ざすために、自傷・嗜癖などする。

 

回復

回復すると言うことは、いろいろな感情を全て、幅広く、分けて、感じられ、感情に耐えられ揺り動かされずに、感情に基づいて行動できる。

 

治療の基本